肉が貴重!ルワンダの食事情

 ルワンダの食生活は農作物をベースとしているためシンプルなのが特徴で、特に穀物、野菜、豆類を中心にした食事が多く見られます
肉や魚は特別な日や儀式の際に食べるのが一般的であり、現地の人曰く、肉は高価なのでイースターやクリスマスくらいしか食べる機会がないとか…。

 都市部と農村部では食生活に大きな違いがあり、都市部では肉や外食の機会が多い一方、農村部では自給自足に近い食生活が続いています。
また、農村部の子どもたちは給食を食べるためだけに学校へ通うというケースも珍しくありません。

 2019年に実施された国内健康調査によると、5歳未満の子どもが最低食事多様性基準を満たしている割合はたったの約23%となっています。
また、2024年世界飢餓指数のスコアは25.2(127ヶ国中101位)であり、深刻な飢餓レベルです。

あやか

具体的には何を食べてるの?

ルワンダ人

主食はウガリやマトケ、キャッサバとか。豆、カボチャ、あとキャッサバの葉も食べるよ。

あやか

ウガリ?マトケ?
キャッサバは聞いたことある!

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よく食べられるルワンダ料理や食材
主食の中心はデンプン室の多い作物
肉や魚は日常的には食べられない 

よく食べられるルワンダ料理や食材

 ルワンダでは、キャッサバ、バナナ、トウモロコシ、豆類などが日常的に食べられ、これらの食材で基本的な栄養バランスを取っています。
比較的低脂肪で健康的な食文化ですが、農村部では毎日きちんと食事できる家庭は多くありません。

 以下、ルワンダでよく見られる料理や食材、飲料を7つに分けて、ざっくり挙げていきます。

ウガリ – Ugali

アフリカ全体で広く食べられる料理。トウモロコシ粉やキャッサバ粉など穀物の粉を湯で練り上げたもので、基本の主食。肉や野菜の煮込み料理との相性がよく、もちもちした食感と酸味のある味が特徴。シンプルながらも腹持ちがいい。

マトケ – Matoke

調理用バナナ(青いバナナ)を蒸したり、茹でたりして作られる。トマト、玉ねぎ、香辛料などで風味を付け、マッシュして副菜として提供されることが多い。形はバナナだが食感や味はイモのようで、日本人にも馴染みやすい味。

イビハザ – Ibihaza

カボチャを主材料としたルワンダの伝統料理。角切りにしたカボチャを乾燥させた豆と一緒に煮込み、味付けはたいてい塩のみ。ペースト状にしたキャッサバの葉や肉を入れることもある。栄養価が高く、特に農村部でよく食べられる。

イビシンボ – Ibishyimbo

豆類の煮込み料理。豆類はルワンダの食事に欠かせない食材であり、特に茹でた赤い豆がよく食べられる。豆は主菜として、またはウガリや米と一緒に提供されることが多く、肉に代わるタンパク質の重要な供給源となっている。

キャッサバ – Ubugali

キャッサバ(タピオカ)はルワンダでよく食べられる主食の一つである。キャッサバの根を乾燥させて粉にして煮込んで、ウガリのようにして食べる。キャッサバは炭水化物源として重要で、調理法としては茹でただけのもがほとんど。

イソンベ – Isombe

キャッサバの葉を煮込んで作る料理。キャッサバの葉を細かく刻み、ピーナッツバターや香辛料を加えて煮込み、濃厚なペースト状にする。ウガリやマトケと一緒に食べることが多く、栄養価が非常に高い料理である。見た目はグリーンカレー。

イキヴグト – Ikivuguto

ヨーグルトのような風味がある発酵乳。栄養価が高いため、朝食やおやつとして消費される。ルワンダの牧畜文化を反映した飲み物で、特に牛を重要視するルワンダの文化に根差した飲み物。穀物を発酵させたブシェラという飲み物もある。

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主食の中心はデンプン質の多い作物

 ルワンダで広く食べられている主食は、ウガリというトウモロコシ粉を練ったもの(クセある味)、マトケという芋のような食感の調理用バナナ、キャッサバやサツマイモなどの芋類などであり、これらの主食は家庭で栽培されることが多いです。

 中でも豆類は重要なタンパク源であり、安価で栄養価が高いため、特に農村部では肉に代わる重要なタンパク源として重宝されています。
赤い豆黒い豆などの煮込み料理は非常にポピュラーで、ウガリやマトケと一緒に食べられます。

 乳製品の消費も盛んで、特に牛乳やヨーグルトに似た乳製品、発酵乳「イキヴグト(Ikivuguto)」がよく飲まれています。牧畜も盛んなルワンダ文化において牛は非常に重要な存在であり、乳製品は栄養補給源として日常的に取り入れられています。

あやか

市場では卵やチーズはあまり目のつくところになくて、ほとんどが穀物や野菜、豆だった!

ルワンダ人

小さな村では、家庭で飼ってる鶏の卵は市場に出さずに家で自家消費するからね。チーズやバターは都会の食べものかな。

 ルワンダの朝食はシンプルで、パンやチャパティ、甘いパンケーキ、トウモロコシのおかゆなどが一般的です。軽食としては、屋台で売られているサモサ(揚げ餃子)やチャパティ(薄いパン)などが人気です。私が滞在した村では、そこら中でトウモロコシが焼かれていました。

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肉や魚は日常的には食べられない

 主に経済的な要因、文化的な背景、そして食料供給のバランス関係などにより、肉や魚が一般家庭の食卓に並ぶことはあまりありません。
畜産には土地や水、飼料が多く必要であり、家畜の大量飼育は資源の制約などあるため、どうしても植物性の食材が食事の中心となりがちです。

 肉は他の食材に比べて高価で贅沢品のため、特に農村部では購入が難しい場合がほとんど。
多くの農家は小規模で牛やヤギ、鶏を飼育していますが、これらの家畜は肉としてよりもむしろ乳製品や卵の供給源として利用されることが多いです。

 肉料理は串焼きやシチューが一般的であり、鶏肉、山羊肉、牛肉、豚肉がよく使われます。
牛は特に大切で(肉として消費するよりも)乳を取るために飼育されており、意外にも鶏肉は山羊肉や豚肉よりも値段は高く、山羊肉が最も安いです。

 魚は湖周辺で食べられますが、水産資源の限界もあって国の主要な産業には及びません。
国内にはビクトリア湖、キヴ湖、ルオンド湖などがあり、キヴ湖はルワンダとコンゴ民主共和国の間に位置する大きな湖として観光でも有名です。

 湖では淡水漁業が行われており、ナイルティラピア、カマロン、イリシ、ビクトリア湖やキヴ湖で見られるバリなどが主によく見られる魚です。
魚は焼いたり、煮たりして食べることが多く、小さい魚のイリシはよく塩漬けにして食べられます。

ルワンダ人

肉をあまり食べないことは、環境保護や持続可能な資源管理にもつながってるよ。

あやか

なるほど、エコを推進するルワンダが言うと説得力あるなぁ。

 ルワンダでは、伝統的に農業や畜産が主要な産業であり、結婚式や祝祭、宗教的な儀式などの際に肉がふるまわれることが一般的です。高価だからというのはもちろんですが、文化的にも、肉は祝い事や特別な機会に食べる「ごちそう」として位置づけられているようです。

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