ルワンダの深刻な問題

ルワンダは「アフリカの奇跡」とも称され、過去数十年で著しい成長を遂げてきました。
しかし、教育、経済、食糧安全保障などの分野で深刻な問題が残っており、特に都市部の外側に住む子どもたちの貧困は彼らの未来を閉ざしています。

これらの課題を数字で詳しく見てみましょう。

教育における問題

識字率:ルワンダの成人識字率は約73%で、特に農村部では教育の機会が限られているため、識字率が低くなっています。

就学率:初等教育の就学率は約100%と高い一方で、中等教育の就学率は約30%に低下し、教育の継続が課題です。

教育の質:生徒1人当たりの教科書が不足しており、約5人に1冊という割合でしか配布されていません。教師の教育レベルも不均一で、教育の質が地域ごとにばらつきがあります。また、初等教育の教育1人あたりの生徒数は約60人です。

経済における問題

貧困率:ルワンダでは、国全体の38%以上の人々が貧困ライン(1日1.90米ドル以下の収入)以下で生活しています。

失業率:特に若年層における失業率が高く、20〜24歳の若者の失業率は約21%に達しています。現行の教育カリキュラムでは労働市場のニーズに十分に対応していないため、職業教育や技術教育の重要性が増しています。

GDP:ルワンダの一人当たりのGDPは約850米ドル(2023年)で、世界平均と比較してかなり低い水準にあります。農業がGDPの約29%を占めており、多くの人々が農業に依存しています。

世界銀行やIMFは、2023年のルワンダの一人当たりの名目GDPを約850~900米ドルとしていますが、PPPベースでは約2,000米ドル以上になる場合もあります。

食糧安全保障における問題

飢餓指数:2024年の世界飢餓指数でルワンダは25.2と評価され、これは深刻なレベルに相当します。

栄養不足:全人口の約15.8%が栄養不足で、十分な食料を得られていません。

発育阻害:5歳未満の子どもの約33%が慢性的な栄養不足で成長不良に陥っています。

消耗症:5歳未満の子供の約**1.8%**が急激な体重減少を経験しています。

保健医療における問題

乳児死亡率:1,000人あたり約33人が1歳未満で死亡しています。これは世界平均と比較して依然として高い水準です。

HIV感染率:ルワンダのHIV感染率は約2.7%で、特に都市部での感染が多いです。これはサハラ以南のアフリカ諸国の中では低い方ですが、依然として公衆衛生上の課題です。

水と衛生における問題

安全な水へのアクセス:全人口の約57%が安全な飲料水にアクセスできる一方、農村部ではこの数字が低く、約44%**にとどまっています。

衛生施設へのアクセス:基本的な衛生設備にアクセスできる人々の割合は約62%です。この点でも、都市部と農村部で大きな格差があります。

参考 welthungerhilfe.org • Global Hunger Index 2024

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